さて、8日目は完全観光日。ユニバーサルスタジオ・ハリウッドで遊んだりしました。
9日目はニューヨークへ移動。ペンシルベニア駅近くのニューヨーカーズホテルに泊まりました。かなり疲れも溜まっていることを考慮して四つ星にしました。
10日目は、朝、グランドセントラル駅でポールと朝食を一緒に取りました。そのあとは観光タイム。2000年に来たときにはあったワールドトレードセンターの跡地を見たかったので、そこまでの街並みを見ながら歩いて南下していくことにしました。
写真を撮りながら約3時間。18年前も結構歩いたんですけど、あまり覚えていなかったです。通った道が違っただけかもしれませんが。ワールドトレードセンターのグラウンドゼロは、なんだか胸が締め付けられましたね。
途中、名門校American Academy of Dramatic Artを発見。パンフレットをもらいました。さすが、歴史ある感じでした。
それから、寄り道編でいえば、途中でテネシー・ウィリアムズ展がやっていることを知り(ペナントが出ていました)、モルガン美術館へ行きました。
そこから、PM3:30のアポイントに合わせてブルックリンのダンボへ。ブルックリンに来たのは初めてです。大体時間通りのPM2:40頃に着いたのですが、そこから道が複雑で、アポイント先の場所がさっぱりわからず、ゆっくりブルックリン橋と湾を見ようと思っていたのに見れず。
この日のアポイントは、Child’s Playという演劇教育の団体を訪問するためです。オフィスで校長のJocelynと20分ほどインタビューをさせてもらい、そこから徒歩15分弱の教会へ歩いて向かいました。すごい速度で、彼女は歩いていきました。
教会について、この日のレッスンを見学させてもらいました。自ら校長が指導し、他にアシスタントティーチャーが2名、ピアノが1名いて、12人に対して、4名の講師がいるという態勢でした。
ここは、シアターゲームを中心にしながら、歌やお芝居など教え、うちの演劇教育の考えるものと非常に近かったので、先行事例を見られて参考になりました。結構日本と似ていると思うこともありました。
日本も、俳優になるためという誤解がありますが、教育として、自信を持たせ、コミュニケーションを上達させる効果があります。演劇教育の効果は、やはり共感できますね。
ギリギリまでクラスを見学させてもらい(60分間見ましたが、休憩なしでずっとやっていて、それがすごいと思いました)、マンハッタンに戻り、PM6:00の打ち合わせへ。スタバでポールと再会し、今回通訳をしてくれる加治慶三さんと初対面。Keizoさんは、ニューヨーク大学の映画監督コースを出ていて、かれこれトータル25年くらいアメリカにいるということです。長さんとはピーター・ブルック関連のワークショップで日本で出会ったそうです。
簡単に打ち合わせをしたり、談笑したのち、近くのChampion Studioへ。ホテルからもすぐ近くです。ここはポールが4年くらいAIDAの教室として使っていたところです。ロサンジェルスの人数が300人くらいになり、他の講師にだいぶ任せるようになって、ニューヨークに来たのです。そのとき、もう労働ビザが期限切れで、帰国しないといけないというときにベトナム人女性と結婚し、アメリカの国籍も得たそうです。
スタジオはレンタルスタジオになっていて、いくつかの部屋がありました。我々が使った部屋も、結構狭く汚い感じでした。そして、何人来るかポールすらもわからないというなか、7名来て、それなりに盛り上がるワークショップになりました。
LAとはまた違う雰囲気、面々でしたね。「こいつら演技できるのか?」と見た目から疑いましたけど、感情のスイッチの入り方はすさまじいものがあり、かなり演技もしっかりしていました。LAほどレベルは高くなかったですけど、やっぱりしっかり学んでいる印象がありました。(経験の浅い人もいましたけど)
前半90分をポールが担当し、後半90分をぼくが担当。LAの一回目からはだいぶ内容を変えて臨みました。I DO I WANTはやりませんでしたけど、Psycho-Physicalの重要性やPsychological Gestureにも触れ、イントロダクションを終えると、ムーヴメントで少し身体を動かし、そのあとセンターを意識しながらWalking。アメリカの人たちは身体の手入れがあまりできていないので、バランスが悪いし、体型がよくないです。映像系の人たちだからかな。
後半はトム・ストッパードの「The Real Thing」の冒頭部を使い、1回発表。長めにフィードバックを行いました。そして最後はインプロ的に演じてもらいました。演技はLAほどではありませんが、なかなか見応えはありました。日本人にも見える中国人のスティーブは、我を忘れる没頭演技をしてました。彼は、あとでマイケル・チェーホフの理論や映画の話をたくさんしていて、相当勉強していることをうかがい知れました。
終わった後は、近くのローカル店で、LAでのブリトーやタイ料理店のように、食べながら語り合いました。
そして、3日間の指導の全てが終了しました。ニューヨークでも評価が高く、アンケートの結果はいいものでした。ある人が、「そこそこの演技講師はうじゃうじゃいるけれど、ポールやShinjiは内側から出す演技を奨励していて、そこが違う」と褒めてくれました。
ニューヨークでも通用するという感触を得ました。言語の違いやシステムの違いなどありますが、純粋に演技指導のみでいえば、充分アメリカでもやれると思いました。アメリカでもトップランクの講師に入っていけると思います。
ただ、まだまだだと感じた部分もあり、そこは自分も成長していきたいと思いましたし、英語力を高めて、通訳なしでできるようになりたいです。Keizoさんの通訳は非常にテンポが良く、さすがという感じでした。本当に助かりました。これからも末永く関わっていきたいですね。