今回人数が少なかったというのもあって、インプロはソロで行いました。
題名の通り、お題は「侵入者」です。
家でTVを観ながら休んでいると、台所から物音が。誰かが侵入してきたようだ。警察に通報したいが、電話があるのは台所。まず、家から出て公衆電話から通報しよう。
さて。これは時間無制限。何分でも何時間でもいいわけですが、1回目は5分ほどで終わりました。2回目は2分ほどです。2回目の侵入者は猫でした。
1人でインプロをすることは簡単ではありませんでした。自分のイメージこそ全てで、相手がいない分どこか危なっかしいのです。また、1人でリビングにいる設定ながら、自分の無意識行動にとても注意を払いました。
特に難しいと思ったのは音への反応です。侵入者による微かな音に軽く気づいて、徐々に侵入者の気配を音から感じなければなりません。そして、最大の敵となるのが「実際に音はならない」ということです。
反射というものを作り出すことは、自分自身できなかったように思います。反射のモノマネをした途端、「今のは嘘くさくなかったかな?」と自意識が働きました。
侵入者は猫だったとわかったときの反応も同じく。その「猫」とは2回目にやったときに別役さんが与えてくださった結末です。猫かな?と思う瞬間、ホッとしようとしましたが、体は言うことを聞きませんでした。ホッとできませんでした。ああ。
ああ。本当に家に誰かが入って来たら、私はどんな反応をするのでしょう。どのような視界、どのような動き、どのような反射、どのような息、それは経験がありません。
それでは私たちは舞台上で、未経験の行動をどのように行えるのでしょう。自分のイメージでしかない世界を、どうしたら自分自身が100%信じられるでしょう。そして観衆に届くのでしょう。わかりません。ああ。