レベル1A第4回ブログ担当は
倉橋が担当します。
よろしくお願いいたします。
前半編
前回の続きで、
#スタニスラフスキー・システムの分析について、皆さんとディスカッションを行いました。
~意識すべき演技の要素~
〇サブテクスト:台本に書かれていない部分
*サブテクストを開拓するには、想像力が大切である。
*オーバーテクスト:台本に書かれている部分
〇五感:視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚
*五感を通して暮らしているから、リアルに演じることができる
〇精神と身体の関係性:
心の状態によって、身体の状態が変わる。心と身体は連動している。
〇コミュニケーション:
俳優同士のコミュニケーションの場合や演出家とのコミュニケーションの場合、お稽古場でのコミュニケーションなど
演技には、とても重要。
コミュニケーションには言葉以外にも、目線、仕草、表情なども含まれます。
〇アンサンブル:
アンサンブルとは、調和という意味。
演劇においての調和には、劇団全体での調和や一体感、振り付けなどを意味します。
コミュニケーションの全体像というイメージ
〇テンポとリズム:
会話のテンポとリズム、メリハリ、特にコメディでは、テンポとリズムが大切。
〇外的形象化:役づくり、衣装で表現すること。
時代劇や映画などでは、衣装に力を入れている。
〇行動の正当化:理由づけ
なぜ、主人公がその行動をしているのかを考えることが大切。
〇行動の流れ:
登場人物には、それぞれ目的があって行動している。
〇感情の流れ:
感情と行動は、連動している。
〇台詞の喋り方:
抑揚をつける、顔色を変える、滑舌よく話すなどがポイント
「自分自身が生きて話すこと」を大切に!!
〇信頼:お芝居をするお相手への信頼、演出家への信頼、役への信頼、自分への信頼、台本への信頼、観客の方への信頼など
〇真実:リアル、自然な演技、真実であり、本物の演技を追及することが大切。
後半編
スタニスラフスキーの歴史について学びました。
(芸名)コンスタンチン・セルケーエヴィチ・スタニスラフスキー
(本名)コンスタンチン・セルケーエヴィチ・アレクセーコフ
(1863年~1938年)
世界の主流である演技法を広めたスタニスラフスキーの歴史を簡単にまとめると、
☆スタニスラフスキーは、フランスの血筋があり、9人兄弟の2番目である。
☆裕福な家庭に育ち、オペラやバレエ、サーカスなど芸術に親しむようになる。
また、俳優との親交もあった。
☆1877年に、納屋を劇場に改造
☆1885年に、演劇学校へ入学するが、家業の忙しさや失望感から、3週間で退学してしまう。
☆1887年に、The Society of Art and Literatureを創設し、演出家としても実力をつけた。
☆1888年に、プーシキの作品を上演
①キャラクターの演技と素の演技の違い
*バランスよく取り入れることが大切
②どのようにイマジネーションや創造的な意志を刺激すればよいのか
③演出家の考えをどのように取り入れればよいのか
↓
「system」の芽生え
「system」とは??
・演技創造のプロセスにおいて、手助けとなる方法。
・演技で忘れがち、見落としがちなことに気づかせてくれる。
・真実を追及している。
・現代演劇に有効であり、ミュージカルなど様々な形式に応用できる。
☆1889年に、結婚
☆1890年に、
ザクセン マインンゲン一座のロシア公演
演出法として、群衆のアンサンブル、芸術の調和を意識しながら、音楽や衣装、照明などで表現した。
~スタニスラフスキーの演出改革~
①トータル的なtheatre productionとしての意識
②life of the human spiritの意識
(人間の魂からの人生・生活)
☆1898年に、
ヴラジーミル・イワーノヴィチ・ネミロヴィチ=ダンチェンコ(Vladimir Ivanovich Nemirovich-Danchenko)と共に、モスクワ芸術座を創設
アントン・チェーホフ(マイケル・チェーホフのおじ)(1960~1904)の作品を演出・出演した。
*アントン・チェーホフの作品には、
『かもめ』、『三人姉妹』、『ワーニャ叔父さん』、『桜の園』などがある。
☆1905~1906年に、
ダンチェンコとの確執、systemの模索
☆1906年に、ヨーロッパ公演の失敗
フィンランドで静養→systemの再考・再形成
①「actor training ‐the work on the self」
俳優訓練のこと
②「Rehearsal training‐the work on the role」
演出稽古のこと
*日々の訓練とリハーサルでの訓練の充実化が大切
☆1912年に、「first studio」を設立
systemを俳優訓練の場に適用した。
☆1926年に、「My Life In Art」を出版
☆1928年に、心臓病のため、役者を引退
この時代に、Table Analysisを広めた。
みんなでアイデアを考え、話し合い、分析することを始めた。
↓
「忘れる(捨てる)こと」の大事さ
「動いてみること」の大事さ に気づくのである。
↓
即興と重視→Active Analysis
Method of physical Action
理想的な俳優像として、
phycho physical actor(精神と身体が融合した俳優)がよい。
☆1938年に、亡くなりました。
長年の演技・劇芸術への考察と、道標となる方法を書きつづった。
日本では、「俳優修行」という題で邦訳されている。
俳優が何気ない人間の生活を表現するためには、忍耐と時間、信念を持つことが大切であることが述べられている。
まとめ
スタニスラフスキーの分析について学び、演技に必要なことは日常生活と関係していることがわかりました。
心の動きや身体との調和、想像力など演技をする上で大切な要素がたくさんあり、改めて演技の世界は奥深いと思いました。
また、演技には忍耐と時間、信念が必要であることがわかりました。